樹のココロ人の心 002

大木神話 −その1−

 大木には神様が宿るといわれています。大木神話は木の神秘性が見る人達に畏怖を与え、思わず手を合せてしまう樹齢神話からでしょうか?

 
人間の寿命が7〜80年に比べ、自然木には育つ環境と場所に恵まれたら、千年以上の古木もあります。一本の大木を目の前にすると人は、…凄いなぁこんな木見た事がないよ。大きいなぁ…と感激し、この大木に出会ったことを素直に喜び、足元にはびこる太根を超えて、大木の幹に手を当て見上げる。見上げたままでは無く、その目を足元に移し、はびこる太根を見つめます。
その行為がそのまま大木にお辞儀をしている姿でしょう。
何回も何回も、見上げては見下ろしている人を見ると、まるで大木に拝跪している姿に写る。これが大木に宿った神様の神秘性でしょう。

 
鎮守の森

 田舎のお宮にも鎮守の森が在りました。苔むいた石段を登っていくと、古びたお堂が鎮座し、その周りには杉の老木が、お堂を囲むように十数本、天空高く枝と枝を絡ませ、鬱蒼とした森を形造っている。昼なお暗き鎮守の森は、神木が奏でるシンシンとした霊気が肌を震わせ、ザワザワと騒ぐ風の音に、神気を感じる。
 石段の登り口に聳える杉の神木は、落雷で傷つき、木肌を毟り取られていたけど、残りの幹だけでわが身を保ち、茂らせる杉葉は、他の杉に劣らず光り輝いていた。抉り取られた根本から、一本の若芽が顔を覗かせていました。
再生でしょうか、それとも親木の養分を吸い上げ育つ、二代目でしょうか?


 杉の特性は素直さでしょう。用材として多く使われる木です。丸太のまま床柱にしても良いし、製材して柱にしても良い。杉材で有名なのが秋田杉です。赤みが強く木目の美しさは、どんな若木でもかなわない。杉は若木でも用途があり、2,3十年の若木だけを使い、面皮作りの柱とし、茶室に使用した事がありますが、杉の木目が面皮に合い、切込み終わった柱に、カンナを当て削りだすと、杉の本質が見えてくる。冬目と夏目のコントラストが美しく、自慢のカンナ刃が吸い付くように、木肌に滑っていきます。まるで水を掛けた様に表面が滑らかになり、仕上げる柱が嬉しそうだ。



平成14年4月19日号より

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